【これで安心】アウトソーシングする時の不安あれこれ解消法

解説

自社製品・サービス向けのオンサイトワークを初めてアウトソーシングする時、様々な不安を感じると思います。
懸念事項として洗い出した上で、それらにどのように対処するかを考えてみましょう。

  • 作業員はどんな人物か
  • 作業当日にきちんと現場に行ってくれるだろうか
  • きちんと作業を遂行してもらえるだろうか
  • 顧客情報の流出が無いか

作業員はどんな人物か

まず第一に人柄、これが最重要です。
訪問される顧客としては、現場に訪問する作業員の本当の身分、所属などは考慮せず、あくまでも「アウトソーシング元の人間」として扱います。
そのため、「作業員に対する印象」は良くも悪くもすべて「アウトソーシング元に対する印象」に変換されます。
作業員は、現場訪問時(入館時)の挨拶から始まり、髪型・服装といった外見、言葉遣い・所作といった作業中の振る舞い、作業完了報告を経て退館するまで、顧客に対して何かしらの印象を与え続けています。
当然、作業スキルや経験も重要ではありますが、第一はやはり外見を含めた人柄を重視するべきです。

作業員はオンサイトサポート事業社の社員、あるいは事業社と契約した個人事業主のいずれかと思います。
可能であれば、実際に現場に訪問する作業員自身とあらかじめWEB上で面談をする、電話でのやり取りを行うなどして、信頼に足る人柄であるかを確認しましょう。
オンサイトサポート事業社の営業担当などが間に入る場合であれば、「外見」「振る舞い」「スキル」「経験」について、可能な限りの情報提供を貰うようにしましょう。

作業当日にきちんと現場に行ってくれるだろうか

事実として、「作業当日に作業員が現場に行かない(あるいは遅れる)」という事象が起こり得ます。
原因は様々ですが、大別して「悪意のないもの」と「悪意のあるもの」があります。

悪意のないもの

  • 作業員の疾病、怪我など
  • 移動時の事故、渋滞
  • 作業日時の誤認

作業員も人間ですので、体調管理に気をつけていても病気に罹患する場合はあります。
移動時に事故に巻き込まれてしまったり、事故による交通の遅れなども不可抗力です。
作業日時の誤認については、良くないことではありますが、悪意はありません。

悪意のないものに対しての対策

作業員の急な欠員について、その対応はオンサイトサポート事業社の役割ですので、代わりの作業員を手配してもらいましょう。
作業依頼時に、「欠員が出た場合どう対処するか」をあらかじめ確認しておきましょう。

事故や渋滞は突発的なため、避けられないものです。
「現場への到着が遅れる場合は、遅れる可能性が生じたタイミングで即時、訪問先担当者に電話でその旨連絡してください。」
といった、ルール決めをしておきましょう。

作業日時が二転三転、変更があった場合などに誤認が発生しやすいものです。
連絡は密に行うだけでなく、作業日前日にリマインドを行う、あるいは作業員側から出発連絡を貰うなどの方法で、仮に誤認があっても未訪問を予防できるようにしましょう。

悪意のあるもの

  • 何の連絡もなく当日突然訪問しない、いわゆる「バックレ」
  • 寝坊などによる単なる遅刻

悪意のあるものに対する対策

いわゆる「バックレ」については、オンサイトワーク事業社も想定出来ない為、万が一発生してしまった場合どうするか、つまり「欠員が出た場合どう対処するか」を予め確認しておく他ありません。

訪問先顧客の理解を得られない理由による遅刻については、兎にも角にも遅刻する旨の一報を入れた上で訪問先に急行してもらい、作業員自らが直接お詫びした上で作業を実施、別途依頼者としてのお詫びも必要になります。

いずれの場合も、アウトソーシング先のオンサイトワーク事業社の管理不足の問題となります。
業務委託契約上の「賠償責任」や「契約不適合責任」でこのような場合に、その責任を問えるように備えておきましょう。

きちんと作業を遂行してもらえるだろうか

一口に「作業が上手く行かなかった」と言っても、その理由は様々です。

  • 事前には想定されていなかった事象により、作業継続ができなかった
  • 作業者事由により、手順書通りに遂行できなかった
  • 顧客都合により現地で十分な作業時間が与えられず、中断となった

様々なケースがありますが、その予防方法や事後処理は思うよりもシンプルです。

事前には想定されていなかった事象により、作業継続ができなかった

「機器を接続したところ、『XXXエラー』という表示が出ました」
「交換対象の既設機器は5台とのことでしたが、現場には4台しかありませんでした」
「前日までに終えているはずだった回線工事がまだ終わっていないようです」
エスカレーション先として作業の完了を待っていると、時にこういった報告が現場の作業員からもたらされます。

何かしらのエラー表示がある場合は、そのエラーの内容を確認、原因の特定して解決しなければ後続の作業は続けられません。
何らかの事情により、顧客の環境が以前とは異なっていることもあります。
拠点の新設や移転などの場合には、引っ越し業者や電気工事業者なども同時に集まって作業していることもあり、他の業者の作業完了を待つことになる場合もあり得ます。

作業者事由により、手順書通りに遂行できなかった

「手順書を読む読解力が無い」、「手順書記載の用語がわからない」といった事由であれば、それは作業者に問題があり、手配したオンサイトサポート事業社の責任です。
どうやってその未完遂を挽回するかは、オンサイトサポート事業社や作業者自身に提案させるべきですが、顧客からしてみれば気になるのは当日終えられるのか、あるいは別日に延期となるのか、まずはその点です。
挽回策を採用するか否か、判断が早ければ顧客への説明や案内も早く行うことができます。
兎にも角にも、この後どうするかの方向性を早急に示すべきです。

顧客都合により現地で十分な作業時間が与えられず、中断となった

「顧客の現地担当者が急用で出かけることになったので、作業をあと1時間で終えて欲しい」
「顧客の現地担当者が病欠、予定通りに訪問したが事務所に誰も居なかった」
「顧客本社から顧客営業所への連絡が行われておらず、作業員の訪問を怪訝に思われた」

明らかに顧客事由で作業を予定どおりに実施できないこともあります。
とは言え顧客相手のことですから、対処は難しいでしょうし、作業員には不備が無いため、当日作業が実施できなくても作業費の支払いは発生します。
依頼者としては、予定通りではないにせよ、なんとか予定日中に作業を終えたいところです。

予防・事後処理

  1. 手順書内容の適時更新
  2. 過去の現地トラブル例とその解決方法について情報共有、まとめ
  3. 速やかに作業前環境への切り戻しを判断すること、またその為の判断基準決め
  4. 作業前の顧客に対する、「詳細なヒアリング」「事前現地調査の提案」「社内共有のお願い」
  5. 別業者の工事進捗や部材の着荷状況など、顧客しか知り得ない情報の共有依頼

1~3については自社内で準備できますし、またその精度も高められますが、4、5については顧客からの協力が必要になります。
また3については、顧客に対して説明とお詫び、再度の作業日決定などでコミュニケーションが発生します。
稀ですが、顧客事由による作業日の変更調整、一部内容を変えての作業強行などタフな交渉が必要な場面もあり得ます。
日頃の顧客との関係性が試される部分です。

「きちんと作業を遂行してもらえるだろうか」という不安は、ある種漠然としたものです。
上記の通り分解してみると、何かしらの問題が生じた時には極論、「顧客・オンサイトワーク事業社双方とのコミュニケーション」「善後策実施についての判断」の2つを行うだけです。
アウトソーシングをせず、自らが現場に行っていたとしても、トラブルへの対処方法はさほど変わらないはずです。

顧客情報の流出が無いか

顧客を訪問するために、最低限下記をアウトソーシング先の作業者へ開示する必要があります。

  • 顧客名(営業所名まで詳細に)
  • 作業場所(建物名や階数まで詳細に)
  • 現地の顧客担当者連絡先(主に電話番号、入館時に必要)

またあなた自身の連絡先も開示することになるでしょう。
その際に気になるのが、アウトソーシング先の事業社、作業員が開示した情報を適切に扱かってくれるかどうかでしょう。

依頼に際して、秘密保持契約の締結は必須と言えます。
当然、顧客とあなたの所属企業との間にも、秘密保持契約の締結が済んでいる前提です。

とは言え昨今、大手企業での顧客情報流出のニュースを見聞きすることも多いと思います。
悪意のある内部の人間からの流出、外部からの不正なアクセスによる流出と、オンサイトワーク事業社としても防ぎきれない部分が大いにあります。
秘密保持契約を履行しようとする意思と、実際に情報流出が起きてしまうこと、両者は現実的には完全にリンクしていません。

一つ、手軽に確認を行う方法として、これから依頼を行おうとしているオンサイトワーク事業社のSNSアカウントが無いか調べて見ましょう。
X、Facebook、Instagram、TikTok等、企業アカウントを運用している企業も少なくありません。
それらSNSの投稿を確認することで、顧客情報に対するその企業の秘密保持意識を垣間見ることができます。

本日の作業は◯◯県××市でPCの入れ替え作業です。
頑張ります!

これから某スーパー様、POSレジ入れ替えの夜間作業です。
ちょっと時間があるので仮眠します。

訪問先を市町村レベルで留めたり、企業名を伏せたりしていれば問題ないでしょう。
画像の添付も無い方が好ましいです。
作業現場において、作業実施前後の写真撮影の許可を頂くことはありますが、訪問先の建物等の撮影が許可されることは通常考えられません。
過去、個人アカウントで上記のような危うい内容の投稿を行ったとある作業員が、今後一切作業を受託できない処分を受けたと、業界内で話題になったこともありました。
詳細な住所、訪問先の企業名や屋号、訪問先の付近と思われる風景写真などを投稿している場合は大変危険です。
依頼しないほうが良いでしょう。

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