未来のワーカーの皆様へ、IT系オンサイトワークのお仕事のはじめ方をQA方式でご案内します。
Q.作業依頼はどうやって受託する?
A.クライアントとワーカーを仲介する中間業者を探しましょう
「とあるIT機器を設置する」という作業があったとき、この作業が完遂される物語の登場人物は以下の通りです。
- エンドユーザー:とあるIT機器を自社内に設置したく、クライアントへ作業を依頼する
- クライアント:エンドユーザーから依頼を受け、様々な準備、手配を行う
- ワーカー:クライアントからの依頼を受け、エンドユーザーを訪問し、設置作業を行う
クライアントの中には、ワーカーへ外部委託することなく、直接自社社員がエンドユーザーへ訪問、作業を行う場合(クライアント自身がワーカー)もありますし、もとより人材手配業として別なクライアントやワーカーへこの作業を専ら再委託するクライアントもいます。
エンドユーザー ⇒ クライアントA ⇒ クライアントB ⇒ クライアントC ⇒ ワーカー
例えば上記の場合、クライアントA~Cは皆、中間業者ということになります。
「直接エンドユーザーと取引できれば良い」と誰もが思うところですが、オンサイトワークをこれから始めようとする駆け出しの作業員にいきなり任せてみようということには、まずなりません。
初心者ワーカーであるあなたを配慮して、適した作業を依頼してくれる、上記で言えばクライアントCに相当する中間業者を探す必要があります。
下記のワードを組み合わせてインターネット検索を行ってみましょう。
- 「オンサイトワーク」、「フィールドサポート」などのメインキーワード
- 「パートナー募集」、「作業員募集」などの募集に関するキーワード
- 「POS入れ替え」、「決済端末導入」などの作業内容に関するキーワード
- 「愛知県」「名古屋市」などのエリアに関するキーワード
検索で見つかった企業へメールや電話で連絡し、一般的には作業員登録、諸契約の締結を行って作業を委託することになります。
Q.業界未経験者だけど大丈夫?
A.ビギナーに理解のある中間業者を見つけましょう
あなたがクライアントとの業務委託契約を締結して現場作業に赴いた以上は、エンドユーザーにとってはあなたが経験豊富なベテランであるのか、今回が初の現場であるビギナーであるのかは関係の無いことです。
ビギナーであるが故に起こしてしまったミス、時間超過なども基本的にはあなたが責任を負うことになります。
クライアントも考え方は様々、「業務委託契約を締結したからにはワーカーの責任」と一貫しているクライアントもあれば、「ビギナーが一人前になるまでは折々フォローして、そもそもミスが起きないようにしよう」と考えるクライアントもいます。
もしあなたが前職などのバックボーンもなく、全く初めてIT系のオンサイトワークを始めようとしているなら、まずは多数のクライアントへワーカー登録を行い、各社の「作業依頼の流れ」、「業界ビギナーへの対応」などを質問してみることです。
- 「心得のあるワーカーには優先的にルーター設定の作業を依頼する」
- 「自社社員によるOJTを実施後、単独作業を依頼する」
- 「ベテランワーカーを含めた複数人作業で、最低2回以上稼働するまでは単独作業依頼はしない」
など、各社の回答から、そのスタンスを確認しましょう。
受託しなければ、報酬も発生しませんが責任も発生しません。
ビギナーでも安心して受託が出来るクライアントが見つかるまで、焦ることはありません。
Q.何か資格は要る?
A.特に要りません
国家資格である「ITパスポート」や「基本情報技術者」を取得している、あるいは取得に向けて学習を行っている、ということであれば手順書記載の内容も理解しやすいです。
また「LinuC(またはLPIC)」や「CCNA」といったIT系資格を取得していれば、手順書がどういった意図で作成されているかを理解できる場面もあるかと思います。
とは言え、資格を取得していても、取得していなくても、究極的には作業は手順書通りに行うことに変わりありません。
資格取得者が作業費などで優遇されるようなこともなく、複数人の依頼候補者の中から選定されやすい側面はあるかもしれませんが、確実に依頼を得られるわけでもありません。
ですので、「無いよりは有ったほうがいい」程度です。
資格は要りませんが、「作業経験」「作業スキル」は問われることがあります。
また、事前に研修の受講が必須の案件もあります。
Q.用意するべき「仕事道具」はある?
A.よく持参を依頼されるものがあります。
こちらの記事にまとめていますので、購入を検討してください。
持参を求められる度に購入していれば、いつの間にか全部揃っているのではないかと思います。
Q.ぶっちゃけ食べて行ける?
A.食べて行くには「人間力」を高める必要があります
新たに業界に参入する個人(法人)もあれば、廃業や別事業へピボットしてしまう個人(法人)もあります。
どんな業界、どんな仕事でもそうですが繁忙期・閑散期がありますし、向き・不向きもあるでしょう。
結局のところ、食べていけるかどうかはあなた次第です。
ただ間違いなく言えるのは、業界歴の長いベテランワーカーは総じて「人間力」が高いです。
それは「手順書を手順通りに実施すること」であり、「イレギュラー発生時には自己判断せず、クライアントへ報・連・相、確認する」ことであり、また「エンドユーザーの印象が良いまま、現場を後にする」ことです。
当たり前のことを当たり前に実行し、報・連・相や確認を徹底し、身だしなみや挨拶、説明を通じてエンドユーザーに良い印象を抱いて頂く。
そのようなワーカーは当然、クライアントからの評価が高く、依頼が途切れることはないでしょう。
依頼が続けば経験地も高まり、別なクライアントを見つけることも容易くなります。
オンサイトワークは、人間が頭と身体を動かして行う実業、これからの将来、特に重要になっていくAIに奪われない仕事です。