【考えよう】その連絡、本当に電話で大丈夫?【架電の前に】

アドバイス

メールやチャットなど、様々な連絡手段がある中、今なお【電話での連絡】はその簡便さ、即時性から多様される連絡手段の一つです。

その【電話での連絡】について、とある著名人が「電話は時間を奪う最たるもの。電話で話す必然性のない用事で気軽に電話してくる者がいるが、絶対に応答しない。」(要約)と意思表明し、賛否両論となりました。

「絶対に応答しない」はやや極端ではありますが、この表明に賛同する声が多いことは、ビジネスシーンにおいて【電話での連絡】に対し、同様の不満を感じている方が多い、ということでしょう。

オンサイトワークの依頼・準備・実作業においても、【電話での連絡】について一考すべき場面があります。
自身が依頼を行うクライアント側であろうと、依頼を受けるワーカー側であろうと、これから行おうとしている連絡手段は果たして本当に電話でよいのか、立ち止まって考えることを習慣にしましょう。

電話は証憑が残らないものであると、まず心得よ

今一度再認識したいことは【電話は証憑が残らない】連絡手段である、ということです。
「録音があるじゃないか」、という反論はナンセンスです。
録音し、それを再生して再度確認するコストを相手方に強いることになります。

オンサイトワークの作業依頼を行う際、日程・作業内容・作業費などの諸条件はワーカーが受託を検討する際に重要な要素です。
クライアントにとっては、作業完了後に提出される正しい報告書や請求書が、恙無く業務を完了させるために重要になります。

いずれの場合も「言った、言わない」「内容に齟齬がある」というトラブルを防ぐためには、文面(書面)による証憑が残る形でやりとりすべきです。
文面である必要から、報告書・請求書という形式が存在しているわけです。

商取引ですから、特に金銭に関する内容は電話だけで済ませるべきではありません
打診や交渉の段階では口頭で相談することもあるでしょうが、正式な依頼の際には注文書や、少なくともメールの文面で相互に金銭に関することを確認しあえるようにしましょう。

メールアドレスやWEBサイトURLを電話で伝えようとしない

電話口でのやりとりは、聞き間違いや記憶の曖昧さが発生しやすく、情報の正確性を損なう可能性があります。これにより、不要なトラブルや手戻りが発生する可能性があるため、メールアドレスやWEBサイトURLの情報はメールなどの文面で連絡することを推奨します。

「文面で連絡するための、そのメールアドレスを伝えたいんだ」
そのお気持ちはわかりますが、伝えたい相手の電話番号を知っているのであればSMS(ショートメール)でも送信出来ますし、WEBサイトURLはサイト名などで検索してもらうなど、別な手段もあります。

急ぎでも重要でもない内容を電話で伝えるのは避ける

現場への移動中の事故、作業中のトラブルなど、急を要する場面では躊躇せずに電話するべきですが、基本的に電話は相手方の状況を一時中断させるものであるため、緊急度や重要度が低い内容はメールやチャットでの連絡を行うべきです。
家族や友人、恋人が相手ならば、コミュニケーションの上で電話すること自体が目的になることも当然ありますが、ビジネスシーンにおいて電話は一手段に過ぎません。
今、伝えようとするその内容は、相手の手を止めるに足るほどの内容でしょうか?

また「メールは面倒だから電話した」ということが比較的年配の方に多く見受けられます。
確かに、用件が曖昧だったとしても一度対話を始めてしまえば明確になっていきますし、伝えたといえば伝えてはいますので一定の仕事をしたと言えなくもありません。
だたこれは、言い換えれば「伝達内容の言語化」や「主体としての役目」を、電話の相手方に一部負担させていることに他なりません。
伝達にかかるコストは、伝達したい方が負担するべきです。

休日や早朝・夜間について気にかける

勤務時間や休日はお勤めの会社や働き方によって異なるものです。
例えば定時で17時退勤の方に対して、19時や20時に稼働しているのが当たり前の方が19時に連絡する場合、果たして電話は適切な手段でしょうか?
「相手先の方の定時が何時で、いつが休日かわからない」、それは仰るとおりですが、だからこそいつ連絡しても迷惑にならないような手段を選択しましょう。

この件については、電話という手段が適切かどうかということより、相手方を慮れるかどうかという人間性が問われています。
至急の連絡でやむを得ず電話する場合にも、会話の冒頭に「夜分申し訳ありません」「お休みのところかと思いますが」といった枕詞を挟むことで、相手方の受ける印象は違ったものになるでしょう。

電話という手段を選択しないことについて注目してきましたが、寧ろ電話すべきタイミングもありますし、すなわちそれはメールやチャットでは不適、不足なこともあるということです。
トラブル時などの急を要する連絡、謝礼や謝罪、何らかの理由で証憑の残らない連絡方法が好ましい場合など、電話が適切な手段であることもあります。
「この連絡は電話という手段で良いのか?」という問いは「メールやチャットの方が適切ではないか?」という問いでもあります。
都度、連絡手段については気にかけ、適切な手段を選択するようにしましょう。

タイトルとURLをコピーしました